着物コラム

まさに幻の紬!歴史ある山形の「白鷹紬(しらたかつむぎ)」

 
着物買取白鷹紬

今回は、年間で100反前後しか生産されないという山形県の置賜地方に伝わる「白鷹紬」を紹介しましょう。

一説によると、奈良時代から行われていたという伝統技法によって製作されている希少な紬で、市場ではほとんどお目にかかれないことから着物ファンの間で「幻の紬」と呼ばれているようです。





幻の紬「白鷹紬」とは

山形県の置賜(おきたま)地方は古くから蚕の生産が行われており、奈良時代に建てられたという置賜地方の中心部にある白子神社は、その名のとおり白蚕(しらこ)を神様とする神社です。

置賜地方では長井市の「長井紬」米沢市の「米沢紬」、そして白鷹町の「白鷹紬」という主に3つの紬があり、これらを総称して「置賜紬」と呼びます。

その大きな特徴は上質な蚕で織られた肌触りの良さと、四季に富む山形で採取される豊富な種類の原料で染め上げられる素朴で多彩な草木染めです。

中でも、白鷹紬は奈良時代から行われていたとされる「板締め」という染色技法で糸を染め上げ、他の地方の紬と比べてもきわめて緻密な文様に織り上げられていきます。

この染色技法を伝えているのは現在2つの工房しかありません。そのため、生産量は非常に限られたものとなっているのです。

白鷹紬の歴史

奈良時代から生産されていた置賜地方の絹織物が本格的に商品として生産され始めたのは17世紀の安土桃山時代です。

1601年に関ケ原で西軍についたがために米沢に転封となった越後の上杉景勝とその家老である直江兼続は、多くの家臣団や領民を養っていくために新たな産業を起こさなければなりませんでした。

そこで、彼らが目をつけたもののひとつが置賜地方の絹織物で、直江兼続は京都から職工を呼び寄せて絹織物の生産に力を注ぎました。

やがて江戸中期になると米沢の名君として名高い上杉鷹山が、越後や足利などから優れた職工や技術を導入し、現在行われている染色や絣織りの技法がほぼ確立していきました。

近代に入ると着物の需要が減少したことや昭和初期の世界恐慌によって絹製品が暴落してしまったことなどが影響し、全体の工房の数は激減してしまいます。

しかし、時代の変化の中を生き残った工房は受け継いだ技法を駆使して優れた作品を生産し続け、工芸品的価値を認められた置賜地方の紬は1976年に国の伝統工芸品指定を、さらに2007年には県の無形文化財指定を受けて現在に至っています。

受け継がれた染色技法「板締め」

白鷹紬で特徴的なのが「板締め」という染色技法です。

一説によると奈良時代から行われていたとされ、現在は白鷹紬を生産する2つの工房にしか残っていない技法です。

具体的にどんな技法かというと、はじめにあらかじめ模様の彫り込んである板を用意し、その板の上に糸束を慎重に張っていきます。

その上に次の板を重ねて糸を挟み込み、これを順繰りに繰り返していって残りの糸を板で挟み込んでいきます。

合計30枚から50枚ほどに重ね合わされた板を金具でプレスして固定し、重さ30キロ以上にもなるブロック状となった板のかたまりに染料をぶっかけていきます。

一時間近い染色作業を経て板を外していくと、縞状に細かく染色された絹糸が出来上がっていきます。

この糸を使って緻密な文様の紬を手織りで丁寧に織り上げていくのです。

模様のついた板は天然木で作られているので温度や湿度の管理が難しく、技法の継承をあきらめてしまった工房も多かったようで、全国的に見ても白鷹町でのみ受け継がれているまさに幻の技法だと言えるでしょう。

希少ゆえに高価格!売却する場合は慎重に

このような技法で作られる白鷹紬は生産数が非常に少ないため、反物から帯まで市場では安定して高価で取引されているようです。

繊細な草木染による温かみのある柄や板締めによって染め上げられた緻密な文様は、晴れ着としてよりも普段着として好まれていて、現代的で非常におしゃれな着こなしを演出してくれる紬として着物ファンの間では高い人気があります。

素朴な味わいのある着物ですが大切な贈り物や宝物として購入される場合が多いので、あまり市場に出回ることが少ないようです。

したがって、もし白鷹紬を処分しようと考えている場合は、出張買取サービスを実施している着物業者などに依頼して、一度プロの目で査定してもらうと安心です。

出張査定にかかる費用は低価格で、中には無料でサービスしてくれる業者もありますし、着物を自分で買取業者に運搬する手間も省けます。

売却処分を考えている場合には、出張買取業者の査定や買取の清算手続きはスピーディで、その場で売却するかどうかを相談しながら考えることもできます。

反物の一部や帯であっても大変高値で取引されている紬ですから、取引の際は信頼できる業者を選んで慎重に取引するようにしましょう。

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