
「天正通宝(てんしょうつうほう)」は、豊臣秀吉が発行した貨幣です。
天正通宝は、「お金」として使われていなかったと言われていますが、それでは何に使われていたのでしょうか。
また、天正通宝の価値はどのくらいなのか買取に出す際は何に気を付ければいいのか。
これらの疑問を解決すべくこちらでは天正通宝の買取相場や価値、賢く買取に出すコツをご紹介します。
お手持ちの天正通宝を買取に出す前に参考にしていただければ幸いです。
天正通宝とは

天正通宝とは、安土桃山時代に日本で発行されていた貨幣です。
「天正通宝」という名称は、発行当時の日本の年号「天正」を冠しています。
天正通宝は、1587年より鋳造(金属を高温にして液体化し鋳型に流し込む製法)が始まりました。
天正通宝の形状は、穴銭と呼ばれる円状で、中心部に四角い穴が開いています。
天正通宝のサイズは、直径は約24mm、重さは約4mm、厚さは約1mmほどとなっています。
天正通宝のデザインは、表面に上下右左の順に「天正通宝」と1文字ずつ刻まれており、裏面は基本的に無地となります。
このデザインは、明(今の中国)より輸入されていた「永楽通宝」を、模して作られていたと言われています。
それでは、天正通宝は、通貨として使用されていなかったのですが、誰によって何故発行されていたのか。
天正通宝の種類はどのようなものがあるのか。
こちらで詳しくご紹介していきます。
参考記事:永楽通宝について豊臣秀吉によって恩賞用に作られていた
天正通宝は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将である豊臣秀吉が、発行していた貨幣です。
天正通宝は、通貨として使用されていたのではなく、天下人である秀吉から有功の将士に対して褒美として渡す為の恩賞用でした。
天正通宝は、金銭と銀銭が発行されています。
加えて「三貨図彙(日本最初の貨幣経済史書)」によると、流通目的に銅銭も作られていたとも言われていますが詳細は不明です。
ちなみに、安土桃山時代に豊臣秀吉が発行していた貨幣は、天正通宝の他にも「天正大判(てんしょうおおばん)」「文禄通宝(ぶんろくつうほう)」などがあり、それらは「太閤金銀銭」と総称されています。
豊臣秀吉によって発行された太閤金銀銭は、いずれも恩賞用、軍事費用だったとされています。
また、豊臣家は大坂の陣(1615年)で滅亡したので、天正通宝が流通していたのは1587年~1615年と短い期間でした。
天正通宝は2種類ある

天正通宝は、表面に刻まれている文字の大きさで2種類に分けられます。
また、天正通宝は文字の大きさによって価値が大きく変わり、「小字」より「大字」の方が希少性があり価値が上がります。
そのため、天正通宝の文字の大きさは、しっかりと見極める必要があります。
以下では「小字」と「大字」の違いについて解説しますので、参考にしてみてください。
小字
小字は、その名の通り「天正通宝」の文字が小さめに刻まれているものです。
小さめと言っても、周りの縁近くまでしっかりと刻まれているので、専門知識がなければお手持ちの天正通宝が「小字」だと判断するのは難しいかと思います。
大字
大字も、その名の通り「天正通宝」の文字が大きめに刻まれているものです。
大字は、小字と比べて特に「通宝」あたりの文字がやや大きめです。
しかし、大字も小字と同様に、素人が見てもすぐには違いが区別しづらいです。
そのため、古銭の専門知識がある方に見分けてもらうことをおすすめします。
天正通宝の買取相場や価値

天正通宝の買取に出した際の相場は、数万円から数十万円程です。
天正通宝の買取相場は、小字と大字で大きく異なります。
小字と大字では、大字のほうが希少性があり市場価値が高いため、買取価格も高くなりやすいです。
天正通宝の大字の買取相場は、状態にもよりますが、数十万円ほどの高値が期待できます。
一方、天正通宝の小字の買取相場も、決して低いわけではなく、十数万円ほどで買取に出せる可能性があります。
天正通宝は、1587年から豊臣家滅亡までの1615年という短い期間に流通していたという点と、恩賞用として使用されており一般的には流用されていなかったという点で、流通枚数が少なく希少価値が高い傾向にあります。
天正通宝は、小字と大字の違い以外にも素材によって買取価格が上下します。
当時の価値が高かった金銭なら、100万円以上の買取価格がつく可能性も大いにあります。
天正通宝を高価買取してもらうには?

天正通宝を買取に出す際、少しでも高く売りたいですよね。
それでは、天正通宝を高価買取してもらうには、どこでどのような状態で買取に出せばいいのかを以下でポイントをご紹介します。
是非参考にしていただいてから、お手持ちの天正通宝を、少しでもお得に売却していただければと思います。
・古銭専門買取業者に依頼する
・保存状態を綺麗に保つ
・天正通宝でも大字のものは希少性が高い
古銭専門買取業者に依頼する
世の中には数多くの買取業者が存在しますが、古銭専門買取業者があることをご存知でしょうか。
お手持ちの天正通宝を買取に出す際には、古銭専門買取業者に依頼する事をおすすめします。
なぜなら、古銭専門買取業者には、古銭に関する専門知識や経験が豊富な査定員が多く在籍しているためです。
もしお手持ちの天正通宝を、一般的な買取業者に買取査定を依頼した場合、古銭に関しての専門知識がない査定員に査定される可能性があります。
特に、天正通宝の場合は、買取査定に大きく響く「素材の違い」や「大字と小字の違い」があります。
古銭の素材やデザインの僅かな違いは、素人では見分けづらく、専門知識のある査定員に査定をしてもらったほうが適正な評価をしてくれるでしょう。
専門知識のない買取業者に査定を依頼して、誤って価値が低く査定されてしまったらとても損をした気分になりますよね。
さらに古銭専門買取業者の中では、店舗に品物を持ち込む方法の他に出張買取サービスや宅配買取サービスを行っている所もあります。
天正通宝は400年以上の歴史がある古銭ですので、本体がもろくなってきている可能性は十分にあります。
「古銭を持ち運んで壊れたら怖い…」「古銭が複数枚あり、持ち歩くと荷物になってしまう…」とお悩みの方でも、出張買取サービスを依頼すれば気軽にご利用できます。
出張訪問料や査定料が無料の古銭専門買取業者もあるので、まずは相談してみるのもいいでしょう。
保存状態を綺麗に保つ

天正通宝を高価買取してもらうには、保存状態が綺麗な方が好ましいです。
天正通宝をはじめとする古銭の場合、なるべく発行当時の状態が保たれている方が、高く買い取ってもらえる傾向があります。
古銭は、歴史のあるデリケートな品物のため、長期間保存している間に錆がついたり変色したり欠けたりしやすいのです。
そのため、古銭は状態がいいほどで高値がつきやすいです。
それでは、古銭を綺麗な状態に保つためには、具体的にどのように保存したらいいのでしょうか。
古銭は湿気に弱いため、なるべく空気に触れさせない事が大事です。
古銭を空気に触れさせてしまうと、酸化や風化など劣化の原因になるので、専用ケースやコインホルダーなどに入れ、密閉しておくのがいいでしょう。
また、古銭は素手で触るのはおすすめしません。手の爪で傷を付けてしまう可能性もありますし、手の油や汗などで変色してしまう要因にもつながります。
そのため、古銭を扱う際には、必ず手袋をつけることをおすすめします。
天正通宝でも大字のものは希少性が高い
もともと天正通宝は古銭の中でも希少価値が高いとされています。
天正通宝の中でも、特に市場に出回っている枚数が少ない希少性が高いもののほうが、より高価買取してもらいやすいです。
天正通宝の大字は、小字よりも希少性が高いので、買取相場が高い傾向にあります。
大字である事に加え、銀銭でなく金銭である場合は、更に買取価格が跳ね上がるでしょう。
古銭の種類や素材の違いは、素人では判断しにくい部分でもあるので、専門知識がある方に依頼した方が適切な見極めをしてくれるでしょう。
天正通宝の買取で気を付けるべきこと

実際に、天正通宝を古銭専門買取業者に買取に出す際、気を付けなければいけない点がいくつかあります。
天正通宝の買取査定評価に響く事項となるので、是非以下を参考にしてみてください。
・サービスに満足できそうな買取業者かどうか
・汚れていてもクリーニングしてはいけない
・付属品があれば必ずつけたまま買取に出す
サービスに満足できそうな買取業者かどうか

古銭専門買取業者に買取を依頼することに決め、インターネット等で調べると、色々な情報が出てきてしまい、何を基準に買取業者を選べばいいのか悩んでしまいますよね。
買取業者選定のポイントとしていくつか例を挙げます。
・出張買取サービスを受けられるか
・プライバシーを重視したお持込み買取サービスを受けられるか
・買取実績が明記されているか
・出張料・査定料・キャンセル料等が無料かどうか
これらの事を頭に入れて、買取業者を選んでみましょう。
特に、日頃から古銭買取への馴染みがない方でも、買取実績が明記されていたり、手数料無料とあれば少し安心できるかと思います。
また、時間に余裕がある場合は、複数の古銭専門買取業者に買取査定を依頼して、相見積もりをとる方法も得策です。
相見積もりをとる事で、複数の買取業者を比べられます。
相見積もりをとった中で、最も高い査定をしてくれたり、一番サービスに満足できそうな買取業者を選べば、あまり損をした気分にならないで済むでしょう。
古銭専門買取業者を選ぶ際には、ご自身に合ったサービスが、きちんと受けられるかどうかが大事になってきます。
汚れていてもクリーニングしてはいけない
天正通宝をはじめとする古銭は、なるべく綺麗な状態のほうが、高価買取してもらえる傾向があります。
ですが、古銭はたとえ汚れていたとしても、決してご自分で洗わないようにしましょう。
特に、天正通宝は400年以上も前の貨幣のため、劣化している可能性が高く、少しこすってしまっただけでも欠けてしまったり傷がついてしまうという可能性があります。
もし、古銭をクリーニングしたとしても、素人からすると綺麗になったように見えても、製造当初の状態から遠ざかってしまうため、買取額を下げてしまう事もあります。
お手持ちの古銭が汚れていてクリーニングしたくなっても、そのままの状態で買取査定に出すようにしましょう。
天正通宝の価値や買取してもらう時に気を付けることまとめ

天正通宝は、豊臣秀吉が将士宛の恩賞用として発行しており、一般的にお金として流通していた貨幣ではないため、希少価値のある古銭です。
天正通宝は金や銀で作られていてとても高価ですので、現在の価値としても大いにあると言えます。
天正通宝をはじめとする古銭は、状態によって価格が変わるため保管には十分気を付けましょう。
また、古銭の素材や保存状態、希少価値については専門知識をもつ古銭専門買取業者に依頼することをおすすめします。