
日本では昭和時代から、様々な記念硬貨が発行されています。
その価値は硬貨の希少性やデザイン性によって幅広いですが、ここでは初心者でも入手しやすい沖縄国際海洋博覧会記念硬貨についてご紹介します。
長い歴史のある硬貨
紀元前後という古い時代から、硬貨は世界中で使われてきました。
金や銀の加工技術が発達していた古代ギリシャや古代エジプトでは、金貨や銀貨に神々や動物の姿を刻印し、儀式や市場取引に用いていました。
ヨーロッパでも、数ある支配者が自身の姿を刻印し、国家統治や経済安定のために硬貨を発行してきました。
金本位制や銀本位制が支配的だった時代には、純度の高い金銀を用いた硬貨が流通していましたが、現在は変動相場制になったため、ニッケルやアルミを用いた硬貨が中心になっています。
現在の金貨や銀貨は、記念硬貨や投資用コインとして製造されることが多く、世界中で毎年のように様々な種類が発売されています。
日本で発行されてきた記念硬貨
イベント・行事や記念日にまつわる記念硬貨が製造されるようになったのは、世界の歴史の中でも20世紀頃と最近のことです。
有名なものでは、アメリカで20世紀初頭に販売された、パナマ太平洋博覧会記念の50ドル金貨があります。
これはフクロウの可愛らしいモチーフと、八角形という特徴的な形が人気を博しています。
日本では東京オリンピックが開催された昭和39年に、初めてオリンピック記念として記念硬貨が発行されました。
その後、オリンピックや万博などの国家イベント、天皇御在位記念や天皇即位記念などの皇室行事、さらに法制度の周年記念や復興事業などで記念硬貨が販売されています。
日本の記念硬貨は、初めは銀貨や白銅貨が中心でしたが、皇室関連の記念硬貨に金貨が用いられるようになり、さらに近年ではニッケル黄銅貨も使われるなど材質が多様化しています。
硬貨を手に入れたら保存状況に気を配ろう
記念硬貨は未使用品として発売されるため、購入当初は美しい状態にあります。
この美しさを保つためには、自宅での保管方法に気を配ることが大切です。
たとえば、湿気が多いとカビが生え、直射日光にあてると変色してしまい、指紋がついたまま放置すると劣化してしまいます。
そのため専用ケースに納めて通気性の良い場所に保管し、手で触れたあとはなるべく柔らかい布で拭いておくようにしましょう。
沖縄国際海洋博覧会記念硬貨の価値とは?
記念硬貨は販売数が限られているため、後年になって高い価値をつけられることがあります。
人気の記念硬貨にはなかなかお目にかかれないかもしれませんが、比較的流通しているものとして沖縄国際海洋博覧会記念硬貨があります。
これは沖縄本土復帰事業として開催された博覧会の記念硬貨で、1975年に発行された100円白銅貨です。
品位は銅750ニッケル250で、4.8グラム。表面には守礼の門と波がデザインされており、裏面には海洋博覧会のシンボルマークであったイルカが刻印されています。
発行数は1億2千万枚と日本の記念硬貨の中では最も多いため、200円前後という比較的安価で流通しています。
気軽に手に取ることができ、記念硬貨コレクションのスタートを飾るにはうってつけの硬貨といえます。